先日、デイサービスの送迎後に利用者さんが転倒して亡くなり、事業者側に1800万円あまりの賠償を命じたというニュースを見ました。
大変残念でいたたまれない気持ちです。
報道によると、利用者さんは自宅のあるマンションまで送られた後、2階へ上がる途中の階段で転倒したとのことです。
今回の事故については判決の詳細や当時の状況をすべて把握しているわけではありません。なので、単純に「施設が悪い」とも「そこまで施設の責任ではない」とも言えません。
ただ、1800万円あまりという賠償命令が出たこと。そして、送迎後の利用者さんの行動について事業者の注意義務が問われたことは、介護現場にとって決して小さなニュースではないと感じています。。
曖昧にせずに事業所として線を引いておくことが大切だと思います。
そして、これは通所介護だけに限らず、多くの介護現場に言えることだと感じています。
僕自身もデイサービスで送迎をしていた
僕も以前、デイサービスで送迎をしていました。
地方なので、一戸建てのお宅が多く、基本的には家の中までお送りしていました。
ただ、一人だけ団地の3階に住んでいる利用者さんがいました。
転倒などのリスクも考え、その方については一緒に階段を上がり、自宅に入るところまで付き添っていました。
当然、その間は送迎車を離れることになります。
その時は、その方を送迎の最後にするなど、他の利用者さんへの影響も考えて対応していました。
都市部になると、マンションや団地など、集合住宅に住んでいる高齢者も少なくないでしょう。
「自宅まで送る」と言っても、玄関までなのか、建物の入口までなのか、階段を上るのか、エレベーターを使うのか。
住宅環境によって、送迎の難しさは大きく変わります。
一人を守ることで、別のリスクが生まれることもある
さらに難しいのが、送迎車に他の利用者さんが残っている場合です。
一人の利用者さんを安全に家の中まで送り届けるために、職員が車を離れる。
その間、車内に残っている利用者さんに何か起きたらどうするのか。
僕が経験した中には、認知症の方が送迎中に車から出ようとすることがありました。
ただ、認知症などでリスクが高い方なら、ある程度は予測して対策ができます。
しかし、予想外だったこともあります。
認知症もなく自立している利用者さんが、送迎を待っている間に買い物へ行ってしまうという事例が起きました。
職員のようにしっかりされている方のだったで、正直そこまでの行動は予想していませんでした。
介護現場では、どれだけ考えても「想定外」は起こります。
だから、「すべてのリスクを予測して事故をゼロにする」という考え方は限界があります。
職員を守れる環境もつくる
今回のニュースを見て改めて思うことは、
冒頭でも触れましたが、
曖昧にせず、線引きを明確にすることが大切だということです。
正直、細かいことを決めるのは面倒です。
「そこまで決めなくてもいいのでは」と煙たがられることもあるかもしれません。
それでも、僕は大切なことだと思います。
利用者さんを守る、職員も守る。
その両方ができてこそ、介護の良いサービスを継続していけるものだと思います。
まとめ
今回の1800万円の賠償金が命じられたことについて、
本来ならば、自宅玄関まで付き添う必要があったのかもしれません。
しかし、全てを理想通りに対応するには、様々な工夫が必要になります。
そして、その対応は全てが容易にできることではないと思っています。
そして、利用者さんも職員も守る為には、曖昧なことは極力なくしておく必要があると感じています。
今回の判決が、僕たちの首を絞める前例とならないことを願うと同時に、
利用者さんの安心・安全の為に、すべきことはする、注意を怠ってはならない、そんな振り返りのきっかけにしなければならないなと、考えさせられるニュースでした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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