ユニットケアが制度化されたのは、2002年です。
現在は2026年、24年前となります。
3年ごとの改訂があり、その制度も少しずつ変わってきています。
重度化した特養で、昔と同じユニットケアができるのか
今の特養では、原則として要介護3以上の方が入居対象となっています。
僕が介護の仕事を始めた約20年前は、今よりも職員が多く、利用者さんの介護度も低い環境でした。
ユニットケアという手法を使い、個別ケアの実践ができていると思える場面が多くありました。
今は、利用者さんの重度化が進み、身体介護の量が増えています。
看取りも増えました。
医療的な対応が必要な方もいます。
認知症の方への対応もあります。
そのような利用者さんを支えながら、家庭のような生活をつくり、一人ひとりの希望に柔軟に対応する。
理想としては分かります。
しかし、現実には職員数も時間も限られています。
その狭間で現場の職員は悩んでいるのではないでしょうか。
ユニットケアを目的にしない
現在の特養におけるユニットケアの普及率は45%前後で、
頭打ち傾向とのことです。
もしかしたら、あえて従来型を選択している施設もあるかもしれません。
実際に、ユニット型、従来型と経験した友人は、
「今は従来型の方が利用者さんとの関わりが多いかもしれない。」
そう言っていました。
全てを鵜吞みにはできないし、様々な施設を見ないと何とも言えません。
しかし、僕自身もそう感じる部分はあります。
聞き取りシート
24時間シート
一覧表
少人数でのグループ
馴染みの関係
家庭的な雰囲気
どれも大切です。
しかし、せっかく利用者さんに関わる時間があるのに、
パソコンや書類に向き合っていないか。
その記録や書類が、これからの利用者さんの生活をより良くするものであるのか。
ユニットケアという型にはめて、大切な時間を見落としていないか。
ユニットケアを実践すること自体が目的になっていないか。
ユニットケアは、手段のひとつでしかないはずです。
良いケアは、職員が無理をし続けなくても続く
僕は、ここがとても大切だと思っています。
熱心な職員がいて、その人が頑張っている間だけ実現できる個別ケア。
それは、一見すると素晴らしいケアに見えるかもしれません。
しかし、その職員が休んだらどうなるでしょう。
異動したら。
退職したら。
同じことができなくなります。
良いケアとは、誰か一人の頑張りに依存するケアではなく、チームとして続けられるケアだと思います。
利用者さんにとって良いこと。
職員にとって無理がないこと。
施設として継続できること。
この3つを考えながら、その施設に合った個別ケアをつくっていく。
それが、これからのケアに必要なのではないでしょうか。
「ここで暮らしてよかった」と思える時間を増やす
ユニットケアには、素晴らしい理念があります。
しかし、制度ができた当初と現在では、利用者さんも、施設を取り巻く環境も変わっています。
だから、当初の形を守ることだけにこだわる必要はないと思います。
大切なのは、その先にあるものです。
利用者さんが安心して過ごせること。
自分のことを分かってもらえていると感じること。
誰かと話して笑えること。
好きなものを選べること。
昔の話を聞いてもらえること。
そして、
「ここで暮らしてよかった」
と思える時間が少しでも増えること。
そのために必要なのがユニットケアなら、ユニットケアを活用すればいい。
別の方法の方が合っているなら、それを考えればいい。
形を守ることではなく、目的を見失わないこと。
僕は、それがこれからの特養に必要な「個別ケア」なのではないかと思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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