前回の記事で、考えることの大切さを記事にしました。
今回はそこでも少し触れた、夜間に眠れなくなり転倒を繰り返す利用者さんに対して、
実際に行った対応をまとめていきます。
92歳、男性。 頑固で怒りっぽい性格の方です。
「これをすれば解決する」という話ではなく、 あくまで現場でどう考え、どう動いたかの記録として読んでもらえたらと思います。
対応① 日中の離床時間・活動量を増やす
最初に考えたのは、生活リズムの調整でした。
- 日中の離床時間を増やす
- 活動量を少し意識的に増やす
夜に眠れない原因として、 「日中に寝すぎているのではないか」という仮説は、 現場ではよく立てられるものだと思います。
実際に取り組んでみましたが、 大きな改善は見られませんでした。
この時点で、 「日中の過ごし方だけが原因ではなさそうだ」 という感覚を持ちました。
対応② センサーマットの使用
夜間の転倒が続き、次に検討したのがセンサーマットでした。
正直に言うと、僕個人はセンサー対応にはあまり賛成ではありません。
それでも、
- 転倒を防がなければならない
- 何か手を打たなければならない
そんな状況の中で、使用を開始しました。
結果として、
- センサーが頻回に鳴る
- 職員の対応が追いつかない
- 訪室のたびに利用者さんが怒ってしまう
転倒予防のための対応が、
- 利用者さんの怒り
- 職員の疲弊
両方を強めてしまう形になりました。
安全を守るつもりの対応が、 結果的に睡眠を妨げてしまったようにも感じました。
対応③ センサーを外し、居室環境を変える
次に選んだのは、 「起きないようにする」のではなく、 **「起きても安全に動けるようにする」**という考え方でした。
- センサーは使用しない
- 居室内を整理する
- どこを通っても、どこかに捕まれる環境を作る
環境としては整えたつもりでしたが、 ここでも想定外のことが起きます。
この利用者さんには、 「捕まりながら歩く」という習慣がほとんどありませんでした。
結果として、 捕まれる場所があってもフリーで歩いてしまい、 転倒リスクは思ったほど下がりませんでした。
対応④ ご本人の変化を考えている最中に起きたこと
ここまでの対応を通して、 次に考え始めていたのは、
- 認知症の進行
- 排泄状況の変化
- 夜間の不安や焦燥感
といった、ご本人側の変化でした。
ただ、その検討の途中で、 施設内でコロナが流行し、 居室対応を余儀なくされる状況になります。
結果として、 夜間の転倒は減りました。
理由は、正直はっきりしません。
- 動線が限定されたからか
- 刺激が減ったからか
- 職員や他の利用者さんとの関わり方が変わったからか
「これが正解だった」と言えない結果でした。
何とも言えない結果だからこそ
このケースは、
- これをしたら解決した
- この対応が正しかった
そう言えるものではありません。
でも、
- 試したこと
- うまくいかなかったこと
- 想定外だったこと
それらをチームで共有し、 「じゃあ次は何を考えるか」を話せたことには、 確かな意味があったと感じています。
まとめ
夜に眠れなくなった利用者さんへの対応は、 どうしても「方法」に目が向きがちです。
- 日中の過ごし方
- センサー
- 環境調整
でも現場では、
- やってみたけどうまくいかない
- 思わぬ結果になる
- 外的要因で状況が変わる
そんなこともあるのが現実です。
だからこそ、 正解を急がず、仮説を立てて考えること。 失敗も含めて共有できること。
この「何とも言えない結末」も含めて、 介護の現場のリアルであり楽しさなのかなと、僕は感じています。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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