今回は、介護福祉士として18年働く僕が、「家族介護のつらさ」「覚悟」「支え方」を学べる本を5冊紹介します。読んだ人が少しでも楽になれるように。
はじめに
在宅で家族を介護している方にとって、日々の不安や孤独は計り知れません。
僕自身、仕事では介護を「職業」として行ってきましたが、祖父の介護を経験したとき、
「家族としての介護は、まったく別物だ」と痛感しました。
今回は、在宅介護の家族にこそ読んでほしい5冊を紹介します。
どの本も「頑張りすぎている人」に、少しだけ肩の力を抜かせてくれる内容です。
1. 親不孝介護 距離を取るからうまくいく(山中浩之 著)
「親孝行しなきゃ」という思いに押しつぶされそうになっている方へ。
この本は、タイトル通り「距離を取る」ことを肯定してくれる一冊です。
介護は愛情だけでは続きません。
僕も祖父の介護を通して、「助け合いの中で続ける介護」の大切さを痛感しました。
罪悪感を手放すためのヒントが、やさしく書かれています。
「無理をしないことが、結果的に“いい介護”につながる」
そんな言葉に救われる人は多いはずです。
2. 老老介護で知っておきたいことのすべて(松本すみ子 著)
近年増えている「老老介護」。
高齢のご夫婦や兄弟姉妹で支え合う介護の現実を、具体的な事例をもとに解説しています。
在宅介護を続けていると、どうしても「誰かの支援を受けること」に抵抗を感じる方が多いです。
でもこの本を読むと、「頼ることは悪いことではない」と自然に思えるようになります。
制度の活用法や地域の支援情報も紹介されており、
実用面でも非常に役立つ内容です。
3. マンガでわかる 介護入門(上田惣子 著)
介護を始めたばかりの家族におすすめの一冊。
介護保険のしくみやサービスの使い方を、マンガでわかりやすく学べます。
専門用語が多くて混乱しがちな介護制度も、この本ならスッと入ってきます。
僕が新人職員に「まず読んでみて」と渡すこともあるくらい、入門書として優秀です。
家族の介護を始める前に読むことで、苦労が少しでも減らせると思います。
4. しっかりわかる 介護保険の基本としくみ(成美堂出版編集部)
「制度が難しくて、どこから手をつけていいか分からない」
そんな方におすすめなのが、この本。
介護保険の申請から、ケアマネジャーの役割、費用の目安まで、
図解でとても丁寧にまとめられています。
制度を知ることは、“介護の第一歩”です。
読んでおくだけで、気持ちがぐっと楽になります。
5. わたしたちの介護:介護を知るはじめの一歩(NHK取材班 編)
介護を「社会全体で支えるもの」として描いた良書。
実際に介護を経験した家族の声や、専門職の言葉がリアルに掲載されています。
読んでいるうちに、「自分だけじゃない」と感じられます。
在宅介護に向き合う家族にとって、心の支えになる一冊です。
つらい中でも、人と人とのつながりが支えになる——そんな想いが詰まっています。
おわりに
在宅介護は、想像以上に「不安」と「孤独」との戦いだと思います。
誰かの言葉や経験に触れることで、少しでも気持ちが楽になるかもしれません。
今回紹介した5冊は、どれも“頑張りすぎている人”に寄り添ってくれる本です。
ぜひ、無理をせず、自分のペースで読んでみてはいかがでしょうか。
介護は、一人で背負うものではありません。
頼っていい、弱音を吐いていい。
そして本も、きっとあなたの支えのひとつになります。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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