介護職のキャリアアップ：自分に合った選択は？

介護の仕事を続けていく中で、
リーダーや管理職になりたい
頼まれたり任命されれば受ける
自分はこのまま一般職のままでいたい
現場のまま、専門性を磨きたい
など、自分の将来について考えたことがある人は多いと思います。

僕が現場で長く働いて感じるのは、
キャリアアップに“正解”はないということです。
役職に向いている人もいれば、現場で輝く人もいる。
どちらも、介護には欠かせない存在です。

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役職を目指すメリット

• 責任のある立場でやりがいを感じられる
  利用者さんや職員全体を見渡す立場になることで、
  現場をより良くする視点が身につきます。
• 給料・待遇が上がる
  給与面では確かにメリットがあります。
  役職手当など、収入アップに直結します。
• 人を育てる経験ができる
  自分が教わる立場から、教える立場へ。
  後輩に伝えることで、自分の介護観も整理されていきます。

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役職を担う難しさや葛藤

• 現場との距離が生まれる
  管理職になると、直接的なケアよりも書類・調整業務が増えます。
  「もっと利用者さんと関わりたい」と感じる人にはつらい部分です。
• 板挟みになるストレス
  上からの指示と、現場の本音。
  その間で苦しむ人も多く、メンタル的な負担は軽くありません。
• 人間関係に悩むケースも多い
  同僚が部下になることで、関係性が変わることもあります。
  特に人間関係を大事にする介護現場では、この変化が大きな壁になることも。
• プレイングマネージャーとしての葛藤
  そもそもの人手不足により、プレイヤーとして働くことがメインになる。
  その為、マネージャーとしての役割が思うように果たせない場合も。

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僕自身のキャリアの変化と決断

僕は新卒でユニット型の特別養護老人ホームに入職しました。
3年目からサブリーダーとして働き、それ以降はユニットリーダー、介護主任とステップアップ。
転職後も、一般職ではなく「介護主任」として採用されました。

いわば、18年間の介護人生の大半を“リーダー的な立場”で過ごしてきたことになります。
しかし、18年目にして、自ら役職を降りる決意をしました。

燃え尽きたわけではないと思っています。
ただ、リーダー職として現場・上司・家族の板挟みになったり、
「自分をすり減らしている」感覚が強くなっていました。

自分の理想が高すぎたのかもしれません。

一般職に戻ることで、確かに役職手当はなくなり、収入は減りました。
けど、精神的な負担は大きく減り、心が軽くなりました。
今は利用者さんと向き合う時間が増え、介護の“原点”を取り戻せたように感じています。
また、心に余裕が持てるようになり、家族との関りも変わったように感じます。

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現場で輝く“専門職”というキャリアも

キャリアアップ＝役職、とは限りません。
現場で長く利用者さんと向き合う「現場のプロ」も立派なキャリアです。

• 認知症ケア、口腔ケア、看取りケアなど専門性を深める
• 実務者研修や介護福祉士として後輩育成に関わる
• 外部研修や地域活動で知識を広げる

「人を動かす」より「人に寄り添う」ことに喜びを感じる人もいます。
それは“昇進しない選択”ではなく、“自分らしいキャリア”の選択です。

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向き・不向きを決めるのは“自分の軸”

リーダーが偉いわけでも、現場に残る人が劣っているわけでもありません。
それぞれの立場で利用者さんを支えていることに変わりはない。

役職に向く人は、「人と人との間に立つ覚悟」がある人。
現場に向く人は、「目の前の利用者さんを支えたい」という熱を持ち続けられる人。
細かく言えばキリがありませんが、ざっくり分けると、そう感じます。

どちらも、介護という仕事を成り立たせる大切な存在です。

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まとめ：自分軸はどうだろう

介護職のキャリア形成に、これが正解という道はありません。
役職を目指す人も、現場で利用者さんと寄り添い続ける人も、
どちらも“介護のプロ”です。

大切なのは、「自分はどんな形で人を支えたいか」を考えること。
その軸さえあれば、どんな立場にいてもブレずに働けるはずです。

実際に経験して気づくこともあるでしょう。
一人ひとりが大切な人財です。
目の前の利用者さんに向き合うと同時に、
自分自身にも向き合うことも忘れないで下さい。

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