介護の仕事をしていると、「これが正解です!」と胸を張って言える場面は、実はそれほど多くないのかなと思っています。
同じ利用者さんへの対応でも、
- 昨日はうまくいったケアが今日はうまくいかない
- Aさんには合った対応が、Bさんには合わない
- 同じ対応なのに職員によって合う合わないがある
そんなことの連続です。
介護は「正解を求める」ことは理想ですが、
「仮説と検証を繰り返す」ことが大切だと思っています。
仮説を立てること自体に価値がある
最近、特養でこんなことがありました。
それまで比較的安定して眠れていた利用者さんが、夜に寝られなくなり、転倒を繰り返すようになりました。
「昼間に寝すぎているのではないか」
「午後は起きている時間を増やしてみよう」
よくある対応だと思いますし、実際に試しました。
でも、思ったような効果は出ませんでした。
ここで大切なのは、
- この対応が正しいか、間違っているか
ではなく、 - 他にどんな可能性が考えられるか
だと思っています。
こうかもしれない、をたくさん出せるチーム
「痛みが出てきているのかもしれない」
「排泄の不安が強くなっているのかもしれない」
「環境の変化が影響しているのかもしれない」
「無理に起こすことで、逆に疲労が溜まっているのかもしれない」
仮説は、当たるかどうか分かりません。
外れることの方も多いです。
それでも、
こうかもしれない、という視点が多く出てくるチームは、
とてもいいチームだと僕は感じます。
仮説が出る現場には、心理的安全性がある
仮説を出すということは、
「間違っているかもしれない意見を口にする」ということでもあります。
- それは違うよ、と一蹴されないか
- そんなこと言っても仕方ない、と流されないか
こうした不安がある現場では、
人はだんだん意見を言わなくなります。
逆に、
- なるほど、そういう見方もあるね
- とりあえずやってみようか
- 今回は違ったけど、次に活かそう
こんなやり取りがある現場は、
心理的安全性が保たれていると感じます。
仮説を潰すか、育てるか
同じ発言でも、受け止め方次第でチームの空気は大きく変わります。
「前にもやったけどダメだった」
「根拠はあるの?」
「時間がないから無理」
こうした言葉が続くと、
考える人ほど黙っていきます。
一方で、
「確証はないけど、大事な視点だね」
「全部は無理でも、試してみたいね」
そう言われるだけで、
考えること自体が意味を持つようになります。
介護は本来、仮説思考の仕事
介護は、
- 人が相手
- 状態は日々変わる
- 環境や関係性で結果が変わる
マニュアル通りにいかない仕事の代表格です。
だから本当は、
- 意見が分かれていい
- 試行錯誤が前提
- 正解を急がなくていい
そんな仕事のはずだと思っています。
守るべきは「正解」より「考え続けられるチーム」
転倒をゼロにする。
不穏を完全になくす。
現実的には、とても難しいです。
でも、
- 仮説を立て
- 試して
- 振り返って
- また考える
このサイクルを回し続けられるチームは、
少しずつ確実に良くなっていきます。
利用者さんのためにも、
働く職員のためにも、
正解を出すことより、考え続けられる空気を守ること。
そんなチーム、そんな施設が、
少しずつ増えていったらいいなと思っています。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
毎週水曜日 19:00 定期更新。
上記以外でも随時更新しています。
👇その他の記事は下記より👇
新着記事・人気の記事は
👉トップページへ
[カテゴリー]
👥 介護の現場で感じる想いや葛藤、気づき、実感など
👉 記事一覧を見る
💬 介護福祉士として制度や人材育成、介護の未来への提言
👉 記事一覧を見る
🏡 在宅介護での工夫や介護サービスの受け方など
👉 記事一覧を見る
🧠 メンタルケアやセルフケアについて
👉 記事一覧を見る
🔁 転職体験談、キャリアアップの考え方、働く環境を見直すヒント
👉 記事一覧を見る
📚 時事・その他、ジャンルにとらわれず、介護にまつわる話題
👉 記事一覧を見る
💼 副業・スキル活用の方法を、現場目線で紹介
👉 記事一覧を見る
🌿 休日・趣味、心身の健康も仕事の一部
👉 記事一覧を見る
コメント