2024年度の介護報酬改定から半年が経ち、「効果検証調査」が各地で進められています。
この調査は、実際に報酬改定が現場や利用者にどんな影響を与えたのかを国が確認するためのものです。
具体的には、介護職員の処遇改善、サービスの質向上、科学的介護(LIFEの活用)など、複数の項目が対象となります。
報酬改定は3年に一度見直されますが、「本当に意味があったのか?」を検証し、次回改定への資料とするのが目的です。
ただし、現場の私たちからすれば「そんな調査が行われているのか」と思う方も多いのではないでしょうか。
現場で感じる“実感とのズレ”
実際に介護現場で働いていると、報酬改定の話題は会議や研修で軽く触れられる程度。
「加算が増えた」「書類が変わった」など、制度面の対応に追われ、改定の“背景”や“意図”までは理解が追いつきません。
例えば、科学的介護の推進(LIFE活用)は国としては重要な柱ですが、現場では入力作業の増加や、PC環境・時間の確保が課題となっているのではないでしょうか。
また、「処遇改善加算で給与が上がる」と言われても、その恩恵をどれだけ感じられるかは事業所によってまちまち。
改定の理念と現場の体感との間には、どうしても温度差があります。
経営と現場、相互理解の必要性
このような中で大切なのは、経営層と現場職員の“情報の共有”だと感じます。
経営側が制度の意図や改定の方向性を理解し、現場にわかりやすく伝えることで、職員のモチベーションや納得感につながります。
逆に、現場の課題や不安を経営側が吸い上げなければ、形だけの改定対応になりかねません。
「報酬改定」と聞くと難しく感じますが、根底にあるのは“より良い介護を提供するための見直し”です。
制度を制度として終わらせず、「どうすれば現場が働きやすくなるか」「利用者さんにどう還元できるか」という視点で話し合うことが欠かせません。
日常業務に追われながらも、少しだけ関心を持つ
私たち現場職員は、日々の業務に追われながら制度の変化を追うのは正直難しいものです。
それでも、「今の報酬改定では何が重視されているのか」を少し意識するだけで、仕事の見え方が変わってきます。
たとえば、「自立支援」や「生活機能の維持・向上」が強調されているなら、
「どうすれば利用者さんの“できること”を引き出せるか」を意識してみる。
それがそのまま、次の評価や加算につながっていく可能性もあります。
さいごに ― 制度を“自分ごと”に変える力
報酬改定や効果検証調査は、国や経営者のものではなく、私たち現場職員の働き方に直結するテーマです。
自分には関係ないと思っていたニュースも、少し見方を変えると“明日の自分の仕事”につながっています。
経営、現場、そして制度。
この三つがかみ合ったときに初めて、介護の質は本当の意味で向上する。
そのためにも、情報を“自分ごと”として捉える意識を、少しずつ育てていきたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
毎週水曜日 19:00 定期更新。
上記以外でも随時更新しています。
👇その他の記事は下記より👇
新着記事・人気の記事は
👉トップページへ
[カテゴリー]
👥 介護の現場で感じる想いや葛藤、気づき、実感など
👉 記事一覧を見る
💬 介護福祉士として制度や人材育成、介護の未来への提言
👉 記事一覧を見る
🏡 在宅介護での工夫や介護サービスの受け方など
👉 記事一覧を見る
🧠 メンタルケアやセルフケアについて
👉 記事一覧を見る
🔁 転職体験談、キャリアアップの考え方、働く環境を見直すヒント
👉 記事一覧を見る
📚 時事・その他、ジャンルにとらわれず、介護にまつわる話題
👉 記事一覧を見る
💼 副業・スキル活用の方法を、現場目線で紹介
👉 記事一覧を見る
🌿 休日・趣味、心身の健康も仕事の一部
👉 記事一覧を見る
コメント