介護の仕事をしていると、
「これって、結局は個人任せになっていないか?」
と感じることがあります。
もちろん、施設ごとに違いはあると思います。
ただ、現場レベルで見ると、似たような構造を感じている人もいるのではないでしょうか。
例えば、職員2人で10人の排泄介助をするとします。
職員Aは7人、職員Bは3人。
次は入浴介助。
職員Aは6人、職員Bは4人。
単純に人数だけを見ると、
職員Aのほうが多くの仕事をこなしています。
それでも、給料は同じ。
特別なインセンティブがあるわけでもありません。
こうした状況が続くと、
「自分ばっかり」
「やっても意味がない」
「頑張るのをやめてしまおうかな」
そう感じるようになるのは、ある意味自然なことだと思います。
足りない部分を、誰かの善意や責任感で埋める。
介護の仕事は、そんな形で成り立っている場面が少なくないように感じます。
「早い人」が評価されやすい現実
介護現場では、
「仕事が早い人=できる人」
と評価されやすい傾向があります。
確かに、時間に追われる現場ではスピードは重要です。
早く終われば、その分ほかの業務に回れます。
でも、ここで一つ疑問が出てきます。
本当に、早い人は“良い介護”をしているのでしょうか。
丁寧さは、評価されにくい
別の視点で見ると、こんなケースもあります。
職員Aはとにかく早い。
動きに無駄がなく、次々と介助を終わらせていきます。
一方、職員Bは時間がかかる。
でも、声かけが丁寧で、表情や反応をよく見ていて、利用者さんの満足度は高い。
利用者さんから見ると、
「安心できるのは職員B」
ということも、実際にはあります。
それでも、
「遅い」
という一点だけで評価が下がってしまうとしたら、
それは本当に公平と言えるのでしょうか。
正解は一つではない介護の仕事
もちろん、
・早く丁寧な人
・早いけど雑な人
・丁寧だけど非効率な人
・安全意識が高すぎて進まない人
・段取りが悪くて時間がかかる人
現場には、本当にいろいろなパターンがあります。
だからこそ、
「早い=正義」
「丁寧=正義」
どちらか一方に寄るのは、違う気がしています。
早さも大切。
丁寧さも大切。
でも、どちらかに偏った評価が行われると、
必ず誰かが報われなくなります。
問題は「人」ではなく「基準」という考え方
ここまで考えてきて、
僕はこんなふうに思うようになりました。
問題は、
「職員Aがどう」
「職員Bがどう」
という個人の問題ではなく、
評価するための基準がないこと自体が問題なのではないか
ということです。
基準がなければ、
評価はどうしても感覚や印象になります。
・忙しそうに見える人
・声が大きい人
・目立つ人
そういった要素が、知らないうちに評価に影響してしまいます。
頑張りとは、何なのか
介護の仕事における「頑張り」とは、何なのでしょうか。
人数を多くこなすことなのか。
スピードなのか。
丁寧さなのか。
利用者さんの満足度なのか。
今の現場では、その答えがはっきりしていないことが多いように感じます。
だからこそ、
頑張っているつもりになっているだけで、疲れてしまう。
真面目な人ほど、損をした気持ちになる。
個人の善意に頼り続ける働き方は、
長くは続きません。
この問いを、どう考えるか
僕自身、明確な答えを持っているわけではありません。
ただ、やはり「基準」になるものは必要であると感じます。
「何を評価する仕事なのか」
「どんな頑張りが報われるのか」
そこを考えなければ、
様々な問題は解決しないのでなはいかと思っています。
介護の仕事は、人が人を支える仕事です。
支えている人の頑張りを、感覚ではなく明確な評価で報われてほしい。
僕の18年間の経験の中で、頑張りが報われていないと感じる仲間が何人もいます。目立ちはしないが、ひたむきに、健気に頑張っている職員。
平等で正当で納得できる評価体制はあるのか。
僕が知らないだけで、たくさんあるのかもしれませんが…
皆さんはどう感じるでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
毎週水曜日 19:00 定期更新。
上記以外でも随時更新しています。
👇その他の記事は下記より👇
新着記事・人気の記事は
👉トップページへ
[カテゴリー]
👥 介護の現場で感じる想いや葛藤、気づき、実感など
👉 記事一覧を見る
💬 介護福祉士として制度や人材育成、介護の未来への提言
👉 記事一覧を見る
🏡 在宅介護での工夫や介護サービスの受け方など
👉 記事一覧を見る
🧠 メンタルケアやセルフケアについて
👉 記事一覧を見る
🔁 転職体験談、キャリアアップの考え方、働く環境を見直すヒント
👉 記事一覧を見る
📚 時事・その他、ジャンルにとらわれず、介護にまつわる話題
👉 記事一覧を見る
💼 副業・スキル活用の方法を、現場目線で紹介
👉 記事一覧を見る
🌿 休日・趣味、心身の健康も仕事の一部
👉 記事一覧を見る
コメント