介護福祉士による暴力事件はなぜ起きたのか|現場で考えたい3つの視点

先日、神奈川の老人ホームで、介護福祉士が利用者さんの首を締めたというニュースを目にしました。
詳細はまだ調査中で、すべてが明らかになっているわけではありません。

だからこそ、
誰かを断罪したり、簡単な結論を出したりすることは避けたいと思います。

ただ、
「またこんな事件が起きてしまった…」
そんな気持ちにもなりました。


これは、特別な人が起こした出来事なのか

こうしたニュースが出ると、
「その職員がおかしかった」
「資質の問題だ」
そう片付けられてしまうことがあります。

もちろん、暴力は許されるものではありません。
どんな理由があっても正当化はできません。

ただ、現場で働いている身として思うのは、
決して“遠い世界の話”ではないということです。

人を相手にする仕事であり、その相手は要介護状態の高齢者。
思い通りにならない場面、想定外の出来事、
そんなことが毎日のように起こります。


現場には、常に「判断の連続」がある

介護の仕事は、マニュアルだけでは回りません。

  • 興奮している利用者さんへの対応
  • 危険が迫っているかもしれない場面
  • 他の利用者さんの対応と重なった瞬間

その場その場で判断を迫られてしまいます。

理想と現実の間で、
常にギリギリの判断をしている場面も多いのではないでしょうか。


職員の疲弊は、事故やトラブルのリスクになる

僕自身、大切だと感じることがあります。

職員の心身の疲弊です。

  • 慢性的な人手不足
  • 常態化した超過勤務
  • 休憩も取れないような勤務
  • 常に気を張り続ける環境
  • 話や気持ちを聞き入れてもらえない空気
  • 不規則な勤務による自律神経の乱れ

こうした状態が続けば、
判断力や余裕が削られていくのは自然なことです。

もちろん、
それが暴力を正当化する理由にはなりません。

ただ、
職員が追い詰められる環境そのものを放置していいのか
そこは、別の問題として考える必要があると思います。


個人の問題だけにしないという視点

事件が起きると、
どうしても「その人」に焦点が当たります。

確かに、「その人」に問題がある場合もあるかもしれません。

でも、介護はチームで行う仕事です。
個人だけに責任を押し付けてしまえば、
同じことが繰り返される可能性もあります。

  • 相談できる環境はあったのか
  • 一人で抱え込ませていなかったか
  • 無理な業務体制になっていなかったか

こうした視点も、同時に必要だと感じます。


「起こらないようにする」ためにできること

完璧な現場はありません。
トラブルをゼロにすることも難しい。

それでも、

  • 判断を一人に背負わせない
  • 迷った時に相談できる空気をつくる
  • 職員の余力を奪いすぎない

こうした積み重ねが、
大きな事故を防ぐことにつながるのではないでしょうか。


「他人事」にしてはならない

このニュースを取り上げたのは、
「他人事にしないため」です。

介護の仕事は尊く、世の為に必要な仕事です。
同時に、とても厳しい仕事でもあります。

だからこそ、
現場で起きた出来事から、
何を感じ、何を考えるのか。

それぞれが立ち止まるきっかけになればと思っています。


おわりに

暴力はあってはならない。
それは揺るがない前提です。

その上で、
同じ現場で働く仲間として、
「なぜ」「どうすれば」ということを考えることも、
無駄ではないと感じています。

介護の現場が、
利用者さんにとっても、
職員にとっても、
安心で安全な場所でありますように…


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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この記事を書いた人

介護福祉士「miya」
福祉の授業がきっかけで介護の道へ
気づいたら18年
経験:特養・養護・通所・訪問
現在:特養
趣味:釣り、ウイスキー、コーヒー、園芸、アウトドア、ファッション

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