現場からのボトムアップ。自分たちができることは

自分たちが今日からできる、小さな行動の積み重ね

組織を良くしたい──
そう思ったとき、僕は現場からのボトムアップが理想だと思っています。
その為には組織的な仕組みが重要とも思っています。

「環境」や「制度」が整っていないと動きづらい、最大限に力を発揮できない、という思いがあります。
しかし、マクロの部分が変わるのを待っていても、目の前の利用者さんは待ってくれません。現場から動いていけることもあると思っています。
今日はその“現場でできるアクション”をまとめてみました。

小さなことばかりですが、こういう積み重ねがきっかけになるかもしれません。

---

まずは、同じ現場で「話せる仲間」を増やす

ボトムアップの第一歩であり最重要なのは、共有できる仲間づくりだと思っています。

忙しい介護現場では、必要最低限のやり取りしかできない日もあります。
だからこそ——

• 1分でも「最近どう？」と声をかける
• 小さな気づきを共有する
• 意見が違っても、相手の背景を聞いてみる
• 否定から入らない

そんな些細なコミュニケーションが、現場の風通しを良くします。
そして、話せる関係があるからこそ、改善の“芽”が生まれるのではないでしょうか。

---

「これ良かったよ」を自然に共有する

改善と聞くと“問題点の指摘”のように思いがちですが、
実は**「良かったこと」を共有するほうが広がりやすい**こともあると思います。

• 〇〇さんの声かけ、すごく良かった
• この記録の書き方、真似したい
• さっきの連携、すごくスムーズだった

良い取り組みや工夫は、放っておくと気づかれないまま消えていきます。
でも、小さな“Good”を現場で拾い上げれば、それが自然と広がり、
やがて「うちの現場って、こういう雰囲気だよね」という風土に変わっていくのではないでしょうか。

ミクロでの改善は、まず“良いものに光を当てる”ところから。

---

「言語化できる人」になる

僕が感じている現場の課題のひとつに、
**「良い実践があっても、言語化されないまま終わってしまう」**ということがあります。

記録でもいい、雑談でもいい。
小さなことで構わないので、気づいたことを言葉にする。

• なぜうまくいったのか
• どこが難しかったのか
• 今後にどう活かしたいのか

これを少しずつ言葉にしていくと、
現場の知恵が“見える化”され、共有され、積み上がっていきます。

言語化はボトムアップの為の最大の武器と言えるのではないでしょうか。

---

「現場でできる範囲」から始める

最初にも書きましたが、制度も人事も、すぐには変わりません。
だからこそ、僕たちがまず考えたいのは——

「今の状況でも、どこなら変えられるか」

100を変えるのは難しくても、1なら変えられる。
そして、この“1”の積み重ねが、未来の100につながっていく。

ボトムアップというのは、みんながリーダーになることではないと思っています。
適材適所で、それぞれが自分の得意な形で関わっていくことが大事だと感じています。

• まとめるのが得意な人
• じっくり観察して改善点を見つけられる人
• アイデアを出すのが得意な人
• コツコツ実行するのが得意な人
• 雰囲気を明るくしてくれる人

苦手なことがあってもいい。得意なことが違ってもいい。
**お互いの強みで補い合えるのが“チーム”**です。

そして、そんなチームこそが、
ボトムアップを体現していくのではないでしょうか。

---

「上に届く声」の作り方を工夫する

ボトムアップを成立させるには、
ただ意見を持つだけではなく、届く形にまとめる工夫も大切です。

たとえば——

• メリットと具体例をセットで話す
• 費用対効果を示す
• 試しにやってみた結果を添える
• 感情ではなく、事実ベースで整理する
• 「こうしてほしい」より「こうなれば現場が回りやすい」を軸に伝える

これだけで、受け取り側の印象は大きく変わります。

---

ミクロ(現場)での積み重ねが、やがてマクロ(仕組み)を変えていく

現場の動きだけで組織は変わりません。
でも、仕組みだけでも現場は変わりません。

だからこそ、ミクロとマクロは両方必要で、
どちらかが正解という話ではないと思います。

僕らにできるのは、目の前の利用者さんの為に、現場を少しずつ整えていくこと。
それが積み重なった時に、組織の向きが変わる。

小さな動きかもしれませんが、
それを積み重ねることで、現場からのボトムアップに繋がるはずです。

無理をせずに、利用者さんの為に、仲間の為に、自分の為に、
できることから始めてみませんか。

関連記事
👉

---