食事に1時間かけて自分で食べている。
先日、そんな話を聞きました。
「自分で食べられているのだから良いこと」と思われるかもしれません。
もちろん、自分で食べることは大切です。食事動作は身体機能の維持にもつながりますし、できることを続けていただくことは介護の基本でもあります。
しかし、僕は「時間をかけて最後まで自分で食べること」が必ずしも良い支援とは限らないと考えています。
特別な理由がない場合、食事時間は20~30分程度、長くても30~40分程度が一つの目安ではないでしょうか。
今回は、食事に時間がかかることについて僕なりの考えをお伝えしたいと思います。
自分で食べることは大切
介護の現場では「自立支援」という言葉をよく耳にします。
食事は生活の中でも特に重要な行為です。自分で食べることができれば達成感にもつながりますし、身体機能の維持にも役立ちます。
介護職としても、できることは続けていただきたいと思っています。
実際に、少し時間がかかっても自分で食べることで機能を維持されている方も多くいらっしゃいます。
長時間の食事が負担になることも
一方で、時間がかかり過ぎることによるデメリットもあります。
高齢になると咀嚼や嚥下の機能が低下しやすくなります。また、食事に集中できる時間にも限界があります。
食事開始時は順調でも、30分を過ぎた頃から疲労が見られたり、ペースが落ちたりすることは珍しくありません。
さらに、
- 長時間座っていることによる疲労
- 食事が冷めてしまう
- 集中力の低下
- 誤嚥リスクの増加
なども考えられます。
食事は「食べる動作」だけではなく、安全に必要な栄養を摂取することも重要です。
時間がかかる理由を考える
食事に時間がかかるからといって、すぐに問題というわけではありません。
例えば、
- 本人がゆっくり食べたいと希望している
- 嚥下機能の低下がある
- 咀嚼に時間がかかる
- 麻痺などで食具操作が難しい
このような理由がある場合は、見守りながら継続することも必要です。
しかし、単に食事が進まないだけで1時間近くかかっているのであれば、支援方法を見直す余地があるかもしれません。
大切なのは「なぜ時間がかかっているのか」を考えることです。
一部介助も立派な支援
介護職として時々考えさせられるのが、自立支援と放置の違いです。
最後まで自力で食べてもらうことだけを目標にしてしまうと、本人が疲れてしまったり、食事量が減ったりすることがあります。
その場合は、
- 用具の変更
- 食事姿勢の調整
- 食形態の見直し
- 一部介助の導入
などを検討することも必要です。
介助を行うことは決して自立支援を諦めることではありません。
その方に必要な支援を行いながら、安全に食事をしていただくことも大切な支援の一つです。
本当に大切なのは何か
僕は、特別な理由がない場合は20~30分程度、長くても30~40分程度が一つの目安だと考えています。
もちろん、本人の意思や身体状況によっては、それ以上の時間が必要な場合もあります。
ただ、「自分で食べること」にこだわり過ぎてしまい、本来の目的を見失ってはいけません。
食事で大切なのは、最後まで一人で食べることではなく、安全に、おいしく、必要な栄養を摂取できることです。
その方にとって最善の食事支援とは何か。
食事時間が長くなっている時こそ、一度立ち止まって考えてみる必要があるのではないでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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