先日、神奈川の老人ホームで、介護福祉士が利用者さんの首を締めたというニュースを目にしました。
詳細はまだ調査中で、すべてが明らかになっているわけではありません。
だからこそ、
誰かを断罪したり、簡単な結論を出したりすることは避けたいと思います。
ただ、
「またこんな事件が起きてしまった…」
そんな気持ちにもなりました。
これは、特別な人が起こした出来事なのか
こうしたニュースが出ると、
「その職員がおかしかった」
「資質の問題だ」
そう片付けられてしまうことがあります。
もちろん、暴力は許されるものではありません。
どんな理由があっても正当化はできません。
ただ、現場で働いている身として思うのは、
決して“遠い世界の話”ではないということです。
人を相手にする仕事であり、その相手は要介護状態の高齢者。
思い通りにならない場面、想定外の出来事、
そんなことが毎日のように起こります。
現場には、常に「判断の連続」がある
介護の仕事は、マニュアルだけでは回りません。
- 興奮している利用者さんへの対応
- 危険が迫っているかもしれない場面
- 他の利用者さんの対応と重なった瞬間
その場その場で判断を迫られてしまいます。
理想と現実の間で、
常にギリギリの判断をしている場面も多いのではないでしょうか。
職員の疲弊は、事故やトラブルのリスクになる
僕自身、大切だと感じることがあります。
職員の心身の疲弊です。
- 慢性的な人手不足
- 常態化した超過勤務
- 休憩も取れないような勤務
- 常に気を張り続ける環境
- 話や気持ちを聞き入れてもらえない空気
- 不規則な勤務による自律神経の乱れ
こうした状態が続けば、
判断力や余裕が削られていくのは自然なことです。
もちろん、
それが暴力を正当化する理由にはなりません。
ただ、
職員が追い詰められる環境そのものを放置していいのか
そこは、別の問題として考える必要があると思います。
個人の問題だけにしないという視点
事件が起きると、
どうしても「その人」に焦点が当たります。
確かに、「その人」に問題がある場合もあるかもしれません。
でも、介護はチームで行う仕事です。
個人だけに責任を押し付けてしまえば、
同じことが繰り返される可能性もあります。
- 相談できる環境はあったのか
- 一人で抱え込ませていなかったか
- 無理な業務体制になっていなかったか
こうした視点も、同時に必要だと感じます。
「起こらないようにする」ためにできること
完璧な現場はありません。
トラブルをゼロにすることも難しい。
それでも、
- 判断を一人に背負わせない
- 迷った時に相談できる空気をつくる
- 職員の余力を奪いすぎない
こうした積み重ねが、
大きな事故を防ぐことにつながるのではないでしょうか。
「他人事」にしてはならない
このニュースを取り上げたのは、
「他人事にしないため」です。
介護の仕事は尊く、世の為に必要な仕事です。
同時に、とても厳しい仕事でもあります。
だからこそ、
現場で起きた出来事から、
何を感じ、何を考えるのか。
それぞれが立ち止まるきっかけになればと思っています。
おわりに
暴力はあってはならない。
それは揺るがない前提です。
その上で、
同じ現場で働く仲間として、
「なぜ」「どうすれば」ということを考えることも、
無駄ではないと感じています。
介護の現場が、
利用者さんにとっても、
職員にとっても、
安心で安全な場所でありますように…
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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