身体拘束ゼロ介護、現場の僕が感じた正直なこと

2025年、年末に、「身体拘束ゼロ介護」が話題になっていました。
理念としては、とても大切な考え方です。
利用者さんの尊厳を守る。
自由を奪わない。
介護職として、これに反対する人はほとんどいないと思います。

正直に言えば、現場の多くの職員は
「身体拘束がいけないことなんて、百も承知」
なんじゃないでしょうか。

それでも、ゼロにならない現実があります。
身体拘束だけでなく、虐待もそうです。
いけないとわかっているのに、なくならない。
僕はそこにこそ、向き合うべき問題があると感じています。

「わかっていないから」起きている問題ではない

身体拘束や虐待は、
「知識がないから起きている」
「意識が低い職員がいるから起きている」
そんな考えもあります。。

でも、それだけではないと感じています。

知識はある。
研修も受けている。
それでも起きてしまう。

それは、やってはいけないと理解していても、止められない状況があるからだと思います。

人手不足という、どうしようもない現実

まず一番大きいのは、人手不足です。

夜勤で少ない人数。
鳴り止まないコール。
転倒リスクの高い利用者さんが複数いる。
複数名の認知症の方の対応。

この状況で、
「拘束せずに見守りを」
「一人ひとり丁寧に対応を」
と言われても、物理的に無理な場面があります。

これは努力不足ではなく、構造の問題です。
現場の職員がどれだけ頑張っても、手と時間が足りなければ限界があります。

心の余裕が奪われていくと、ケアは崩れる

認知症のケアは、本当に大変です。
相手の世界に合わせて、待って、受け止めて、感情をコントロールする。

正直、心に余裕がないとできません

最大限努力していても、失敗すれば責められる。
そんな状態が続けば、人は少しずつ追い込まれていきます。

その結果として出てくるのが、
強い口調だったり、乱暴な対応だったり、
「とりあえず動けないようにしてしまおう」という判断だったりします。

これは悪意ではなく、余裕を失った末の行動だと僕は感じています。

知識不足だけが原因とは思えない

もちろん、知識不足と言える場面もあると思います。。
でも同時に、
「自分をコントロールできないほど追い込まれている」
そう感じることも少なくありません。

正しいケアを知っていても、
それを選べない状態にまで追い詰められている人がいる。

そこを見ずに、
「もっと勉強を」「意識を高く」
と言い続けるのは、現場をさらに苦しめるだけだと思います。

ゼロを目指すなら、まず守るべきもの

身体拘束ゼロ
目指す方向は間違っていません。

でも本気で実現したいなら、
理念の前に、現場の土台を守る必要があります。

人員配置、労働環境、相談できる体制、共有できる文化。
そして、職員の心の余裕。

現場がすり減ったままでは、
どれだけ正しい理念も形骸化してしまいます。

利用者さんの尊厳を守るためにも、職員の尊厳も守る。
まずは介護職が壊れない環境をつくること。
それが、身体拘束ゼロへの一番の近道だと、僕は思っています。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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この記事を書いた人

介護福祉士「miya」
福祉の授業がきっかけで介護の道へ
気づいたら18年
経験:特養・養護・通所・訪問
現在:特養
趣味:釣り、ウイスキー、コーヒー、園芸、アウトドア、ファッション

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