学ぶ機会が“人”を育てる〜介護職員の成長を左右する職場環境〜

学ぶ機会の「差」

介護業界では、法人や施設によって「学び」に対する姿勢に大きな差があると感じています。
外部研修には一切出させ(さ)ない職場もあれば、積極的に参加を促す職場もある。
内部研修も形式的にやるだけのところもあれば、現場職員が講師となり、実践的な学びを共有する施設もあります。

この「学ぶ機会の差」は、職員一人ひとりの成長スピードや、やりがい、ひいては離職率にも影響してくると感じます。


僕自身が経験した2つの法人の違い

僕自身、これまでに2つの法人で働いてきました。

14年間お世話になった前の法人は、内外問わず研修の機会が非常に多かったです。
新人研修から中堅・リーダー研修、育成研修など、その時々の立場に応じて必要な研修を受けさせてもらえました。
外部研修も勤務扱いで、自己負担はお昼ご飯代だけ。
他の施設の職員が「すべて自己負担、今日は休日を使って研修に参加している」と聞いたとき、「自分は恵まれた環境にいるんだな」と実感しました。

一方、現在の法人では研修の機会がとても少ないのが現実です。
最近は少しずつ増えてきているものの、以前の法人と比べるとまだまだ少ない。

その差は数字にも表れていて、
前の法人は離職率が常に一桁台、新卒採用も毎年継続。
人材紹介は登録すらしていない
対して現在の法人は離職率が20〜30%台、新卒採用は過去20年で2~3人。
人材紹介に頼った職員確保
まさに対照的な結果です。

一概に決めつけることはできないが、経験を通して感じるのは、
「人を財産として大切に育てる法人」と「労働力として扱う(そう感じる)法人」
姿勢の差に現実的な数字が現れるのかもしれない。ということです。


「学び」は職員を守る

研修の目的は、単に知識を増やすことではありません。
学びの機会があることで、職員は挑戦するきっかけにもなる。
「もっと良くしよう。」という文化があると、
個人の意識も高まり、自然とチームの雰囲気も良くなると感じます。

逆に、学びのない職場では、職員が自分のやり方に固執したり、それを押し付ける。
時代に反した職場風土が生まれやすく、良いケアが育たない。
個人として志を持っていても、活かす環境がない。
これでは優秀な人財は他へ流れてしまい、悪循環へ陥ってしまう。


“職場風土”が人を育て、いいケアにつながる

どんなに意欲的な職員がいても、職場がそれを後押ししなければ、学びは根づきません。
「研修に行く=現場を抜ける=迷惑」「研修に行っても意味がない」
そう思われるような職場では、誰も学ぼうとしなくなります。

一方で、「学んだことを現場で共有してほしい」「成長の為に学んできてほしい」
そのように言ってもらえる職場では、個人が育ちます。そして、チーム全体の成長につながります。
そんな職場風土があると、無条件でいいケアにつながることでしょう。


経験を活かして、より良い職場へ

僕は今、前法人で学んだ「職場風土」を、
現在の職場で少しずつ広げていこうと努力しています。
すぐに変わるものではありませんが、
学びを止めない職場が職員が成長させ、利用者さんへのケアに還元される。

人を大切にする法人は、必ず人が育つ。
そしてその“人”が、利用者さんのより良い生活を支えていく。
僕はその循環を信じて、これからも現場に立ち続けたいです。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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この記事を書いた人

介護福祉士「miya」
福祉の授業がきっかけで介護の道へ
気づいたら18年
経験:特養・養護・通所・訪問
現在:特養
趣味:釣り、ウイスキー、コーヒー、園芸、アウトドア、ファッション

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