楽しみながら介護予防!現場で広がる“ボッチャ”の活用法

はじめに

🔗前回の記事で「介護職が介護予防に関わる意味」についてお話ししました。
僕が介護予防教室で関わる中で、特に大切にしているのが「楽しめること」です。
どれだけ良い運動や知識を伝えても、参加者が「またやりたい」と感じなければ継続にはつながりません。
そんな中で僕が教室で活用しているのが、誰でも楽しめるスポーツ「ボッチャ」です。

ボッチャとは?

ボッチャは、ヨーロッパで生まれたパラリンピック公式種目の一つです。
白い目標球(ジャックボール)に自分のボールをどれだけ近づけられるかを競うシンプルな競技。
ルールが分かりやすく、体力に自信のない方でも楽しめるのが特徴です。
ボールは柔らかく安全で、投げる・転がす・足で蹴るなど、参加者の身体機能に合わせて自由に調整できます。

教室での活用方法

僕が教室で行う際は、本来のルールそのままでも行いますが、練習用のターゲットマットを使って独自ルールで行うことも多いです。
その日の参加者の人数や身体状況に合わせて内容を変え、個人戦・チーム戦・リレー形式など、バリエーションを工夫します。
「どこを狙おうか」「あと少しだったね!」と自然に声が飛び交います。
得点をつけると、競争心や集中力が高まり、笑いの中にも真剣な表情が見られるのが印象的です。

ボッチャがもたらす効果

一見レクリエーションのように見えて、ボッチャには多くの介護予防効果があります。
ボールを狙って投げる動作は、腕の筋力や体幹の安定に役立ちます。
また、「どこに投げるか」「次はどう狙うか」と考えることで脳が活性化します。
さらに、チームで作戦を立てたり、互いに声をかけ合ったりすることで、社会的つながりが生まれ、孤立の予防にもつながります。
運動・認知・社会参加――フレイル予防を満たせる活動でもあります。

施設でも広がるボッチャの魅力

このボッチャは、介護予防教室だけでなく、デイサービスや特養でも応用が可能です。
デイサービスではリハビリレクとして取り入れやすく、体を動かす習慣づくりにぴったり。
特養では、車椅子の利用者さんも一緒に楽しめるため、参加者全員が主役になれる活動として注目されています。
準備や片付けも簡単で、スタッフの負担が少ない点も魅力のひとつです。

その他のおすすめツール

ボッチャ以外にも、介護予防を楽しく進めるツールはいくつかあります。

  • スカットボール:的を狙って棒を転がす競技で、腕や体幹の安定、集中力アップに効果的。
  • ペタンク:屋外でも楽しめ、季節を感じながら行えるフランス生まれのスポーツ。
  • 卓上ボッチャ:狭いスペースでも行える小型版。小規模デイや在宅支援の現場にもおすすめです。

まとめ

介護予防の現場で大切なのは、「続けられる楽しさ」をつくること。
ボッチャはその“きっかけ”として、誰でも、どこでも、笑顔で取り組める優れたツールです。
単なるレクリエーションではなく、身体・頭・心を動かす介護予防プログラムとして、今後さらに広がっていく可能性を感じています。
僕自身も今後、より多くの現場でこの楽しさを広げていきたいと考えています。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

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この記事を書いた人

介護福祉士「miya」
福祉の授業がきっかけで介護の道へ
気づいたら18年
経験:特養・養護・通所・訪問
現在:特養
趣味:釣り、ウイスキー、コーヒー、園芸、アウトドア、ファッション

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