業務はなぜ増え続けてしまうのか
介護現場で働いていると、
「あれもやった方がいいよね」
「これもやった方がいいのかな」
そんな声を聞くことがあります。
実際、チームで共感しながら業務を改善し、支援の質を高めていくことは理想的です。
僕自身も、そうした前向きな取り組みは大好きです。
ただ、その反面で感じるのは、
質を上げようとする中で、業務を増やしすぎていないか
という疑問です。
人も時間も、無限ではない
介護の現場では、人手不足が慢性化しています。
さらに、利用者さんのニーズも多種多様になっています。
- 医療的ケアが必要な方
- 認知症の進行した方
- 個別性の高い支援を求められる方
その一方で、
職員の数も、1日の時間も、決して増えてはいません。
それにも関わらず、
「質を上げるため」という名目で業務だけが増えていく。
これは、どこかで無理が生じてしまいます。
業務を減らすことは、思っている以上に勇気がいる
僕の感覚として、
業務を増やすことよりも、減らすことの方がずっと勇気がいると感じています。
業務を減らすと、
- 手を抜いていると思われないか
- 楽をしていると見られないか
- 質が下がるのではないか
そんな不安が頭をよぎってしまいます。
真面目で責任感の強い職員ほど、
「減らす=悪いこと」
という感覚に陥りやすいのではないでしょうか。
自分たちで自分たちの首を絞めていないか
過去を振り返ると、
良かれと思って取り入れた取り組みが積み重なり、
- 業務が回らない
- 時間に追われる
- 余裕がなくなる
- 結果的にケアが雑になる
そんな「自分たちで自分たちの首を絞めているような状態」になっていたこともありました。
本来、支援の質を上げるための取り組みが、
逆に質を下げてしまっている。
これは、決して珍しい話ではないのかなと思います。
「ひとつ増やしたら、ひとつ減らす」という考え方
だからこそ、僕はこう感じています。
ひとつ業務を増やしたら、ひとつ業務を減らしてみる。
この視点は、今の介護現場にとても大切なのではないでしょうか。
- 新しい取り組みを始めるなら
- その分、何を手放せるかを考える
これは決して後ろ向きな発想ではありません。
業務の引き算も、生産性の向上
生産性という言葉は、介護の現場では少し冷たく聞こえるかもしれません。
ですが、
- 限られた人員
- 限られた時間
この中で最大限の支援を行うという意味では、
業務の引き算も立派な生産性向上だと思っています。
無駄を省き、
形骸化した業務を見直し、
本当に必要な支援に時間とエネルギーを使う。
それは、
利用者さんのためでもあり、
職員を守るためにもなります。
過去に必要だった業務は、今も必要か?
業務を見直すうえで、大切なのはこの視点です。
「それは、今も本当に必要なのか?」
- 昔は必要だった
- 制度が違った
- 利用者像が違った
そんな理由で続いている業務は、意外と多いのではないでしょうか。
過去を否定するのではなく、
今の現状に合っているかどうかを問い直す。
その作業を、定期的に行うことも必要だと思います。
業務を減らすことは、質を下げることではない
業務を減らす=質を下げる
そう思われるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
むしろ、
- 余裕が生まれる
- 職員の表情が変わる
- 利用者さんと向き合う時間が増える
そんな変化が起きることもあります。
結果的に、
利用者さんへの支援の質が上がる
そんなケースも、現場では確かに存在します。
おわりに 「足す」だけでなく「引く」視点を持つ
介護の仕事は、真面目な人ほど抱え込みやすい仕事です。
だからこそ、
- 足すこと
- 頑張ること
だけでなく、
引くこと
手放すこと
にも、価値があると思います。
業務の引き算は、
楽をするためではなく、
より良いケアを続けるための選択。
そんな視点が、現場に少しずつ広がっていけばいいなと感じています。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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