介護現場では、さまざまな専門職が関わり合いながら、ひとつのチームとして動いています。
介護職、看護師、ケアマネジャー、リハ職、相談員、管理職……。
しかし、職種が違えば価値観も考え方も違う。
その違いが、ときに「コンフリクト(対立)」を生みます。
✅ なぜ職種間でトラブルが起こるのか?
たとえば、こんな場面に心当たりはありませんか?
- 看護師が“医療の視点”で動き、介護職が置き去りにされたように感じる
- ケアマネが立てた計画に、現場がついていけず、負担感が募る
- 管理職の一言が、現場の想いとズレていて温度差を感じる
これらはすべて、悪意のある衝突ではありません。
多くは「立場の違い」「情報の断絶」「想像力の不足」から生まれる“すれ違い”です。
✅ 対立ではなく、対話を
コンフリクトが起きたとき、どう対応するかでその後の関係性が大きく変わります。
感情的に反応するのではなく、冷静に“対話”すること。
- 「なぜそう判断したのか」背景を知ろうとする
- 「自分はこう感じた」と率直に伝える
- 「お互いのゴールは何か」をすり合わせる
コンフリクトは、“問題”ではなく“チャンス”でもあります。
乗り越えたとき、チームの結束力は確実に強くなります。
✅ 人間関係を壊さずに意見を伝えるには
「言いたいけど、関係がギクシャクしそうで…」
そんな悩みを抱える人も多いでしょう。
大切なのは、“人”ではなく“課題”にフォーカスすることです。
×「あなたのやり方はおかしい」
○「この対応だと、○○さんの安全が心配です」
攻撃ではなく提案として伝えることで、相手も聞く耳を持ちやすくなります。
✅ チームケアに必要なのは“共通ゴール”
介護職も看護師もケアマネも──目指すゴールは「利用者の生活の質の向上」。
この“共通ゴール”に立ち返ることで、対立ではなく“協働”に向かうことができます。
- 「お互いにできることは何か」
- 「どこで連携すれば、もっと良くなるか」
- 「どう伝えたら、相手に届くか」
それを考え続けることが、良好な関係性を築く第一歩です。
ただし、これは理想論かもしれません。
実際には、「めんどくさい」「大変」といったネガティブな言葉や態度が見えると、
「本当に共通のゴールを目指しているのか?」と疑問を持ってしまうこともあります。
もちろん人間ですから、気持ちに余裕がない日もあります。
でも、そうした小さな違和感の積み重ねが、やがて大きなコンフリクトにつながることも。
逆にいえば、その違和感を乗り越えたとき、
「やっぱり私たちは同じ方向を向いている」と実感できる瞬間がある。
それこそが、チームとして成長するチャンスなのだと思います。
✅ 最後に:チームは“違っていい”からこそ強くなる
コンフリクトは「違い」があるからこそ生まれます。
でもその「違い」は、チームにとっての“強み”でもあります。
- 視点が違う
- 経験が違う
- 専門性が違う
だからこそ、補い合える。
だからこそ、多面的なケアが可能になる。
「違いを否定しない」という姿勢が、より良い職場環境とサービスにつながっていく。
僕自身もこれからも、チームで働くことの意味を考え続けていきたいと思います。
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