介護の現場に限らず、どの職場にもいると言われがちな“お局さん”の存在。
「あの人がいるから、職場に行きたくない」「せっかくの新人さんがすぐ辞めてしまった」──
そんな話を、きっと一度は聞いたことがあるはずです。
でも、“お局さん”とどう向き合うかは、働き続けるための大事なスキルかもしれません。
■ お局さんってどんな人?
お局さんというと、長年勤めていてベテラン、そして自分なりのやり方や価値観を強く持っている人、というイメージがあるかもしれません。
中にはこんな極端なタイプもいます。
- 自分のやり方が絶対正しい、それ以外は間違い
- 人の意見は聞き入れない、自分が職場のルールそのもの
- 上司も若手も関係なく、全方位に厳しい
ここまでくると、もはや“パワーバランスの崩れた現場”です。
うまくやれる人もいますが、多くの人が心をすり減らし、退職してしまう原因にもなっています。
■ 売り手市場が生む“黙認の空気”
介護業界は今、慢性的な人材不足。
辞められては困るという事情から、“厳しすぎるベテラン”にも注意ができない、という施設もあります。
「注意できない」「異動もさせられない」「職員に選択肢が多く、簡単に辞めてしまう」──
結果、若手が去り、ベテランの独壇場が続くという悪循環が起こってしまうのです。
■ では、どう向き合う?
✅ 1.「敵にしない」「迎合しすぎない」のバランス
どちらかに寄りすぎると疲れてしまいます。
・挨拶や報告など基本的な礼儀はきちんと
・一方で、「全部あの人に合わせる」必要はありません。
距離感を保ちながら「仕事に集中する」スタンスが大切です。
✅ 2. 「その人の良さ」にも目を向ける
経験が長いからこそ、業務に詳しい・ご利用者との関係性が深いという側面も。
言い方がキツいだけで、意外と“気にかけている”こともあるかもしれません。
「全否定」から一歩引いて、客観的に見てみるのも一つの手です。
✅ 3. 困ったら、信頼できる人に相談を
我慢しすぎは禁物です。
信頼できる先輩や上司、人事担当などに、具体的な事例とともに相談を。
「それ、私も感じていた」という反応が返ってくることも多いです。
■ それでも辛いなら、環境を変える選択も
残念ながら、全ての職場が風通しのいい環境とは限りません。
お局の存在が原因で人が辞め、組織が疲弊する──それは決して珍しいことではありません。
勇気のいることですが、自分の心と体を守るために環境を変えることも、大事な選択肢です。
■ 最後に:誰もが働きやすい職場づくりのために
お局さんを「悪者」にするのではなく、現場全体が健全であるために「どう関わるか」を考えることが大切です。
そして、施設全体が“お局依存”にならず、若手が安心して育ち、相談できる雰囲気があるかどうかも重要です。
介護はチームで行う仕事。
誰かの独走で苦しむ職員が生まれないように──
私たち一人ひとりが、“働きやすさ”をつくる側でもあるのかもしれません。
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