✅ なぜ「対話」が必要なのか
介護の現場で働いていると、どうしても「経営と現場は別物」という感覚を持ちやすいものです。
現場は日々の介助や利用者対応に追われ、経営は稼働率や収益の数字に向き合う。
この構図の中で生まれるのが、**「数字ばかりで現場を見ていない」という不満や、
逆に経営側からの「現場は経営の大変さを分かっていない」**という不信感です。
実際には、双方ともに苦しみ、悩んでいる。
だからこそ、その間を埋める「対話」が欠かせないのです。
✅ 現場からの声を経営がどう受け止めるか
現場からは「利用者に対して十分に向き合いたい」という声が常に上がります。
しかし、人員も時間も有限であり、すべての要望に応えることは不可能です。
この現実を経営側が理解し、**「どこまで応えるか」「どこで線を引くか」**を明確に示すことが大切です。
曖昧なまま放置されると、現場は「結局すべて自分たちが背負うのか」と感じ、疲弊や離職に繋がってしまいます。
現場の声を受け止め、方針を示すこと。
これこそが「対話」の第一歩です。
✅ 経営の葛藤を現場に伝える
一方で、経営陣も簡単ではない選択を迫られています。
稼働率を高めなければ収入が安定しない。
しかし、無理な受け入れは現場に負担をかけ、離職につながる。
この難しさを経営が一人で抱え込むのではなく、率直に現場へ伝える姿勢が必要です。
「数字と理想の板挟みになっている」という経営の葛藤を共有することで、現場は初めて経営の立場を理解できます。
その姿勢が見えるだけで、**「自分たちの声は届いている」「一緒に悩んでいる」**と実感できるのです。
✅ 対話は「信頼関係」をつくるプロセス
対話は、答えをすぐに出すためのものではありません。
大切なのは、お互いの立場を知り、歩み寄ろうとする過程そのものです。
このプロセスを繰り返すことで、経営と現場の間に信頼関係が育まれます。
信頼があれば、厳しい状況でも「この方針ならやってみよう」と現場は踏み出せる。
経営も「現場がついてきてくれる」と安心して判断できます。
✅ 「理想を追うことが収益につながる」未来へ
最終的な理想は、理想を追うこと自体が収益に繋がる仕組みを実現することです。
手厚いケアを評価してもらい、それが経営を支え、職員の待遇改善にもつながる。
その未来に向けて、「対話」を土台とした信頼関係づくりも大切な一歩ではないでしょうか。
経営と現場が同じ方向を向き、一緒に進むことができれば、介護の質も働きやすさも必ず向上していくと信じています。
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