✅ セルフケアは「自分のまわり」から始まる
これまで、身体・心・思考のケアについて見てきました。
最終回では、「自分を取り巻く“環境”を整えること」=環境のセルフケアに焦点を当てます。
介護職にとって、職場環境は心身の健康に大きく影響します。
良い人間関係、安心できる空気、過度なストレスの少ない業務体制……
これらが整って初めて、私たちは自分の力を発揮できます。
✅ 境界線を引くことは「自己防衛」
介護職は「人のために」という気持ちが強い人が多く、
つい自分の時間や感情を後回しにしてしまいがちです。
- サービス残業を繰り返す
- 人の代わりばかりして自分の仕事が後回し
- 休憩中もナースコールに気を張っている
- 休憩を取らない
これでは心が持ちません。
**「ここまでが私の責任」**と、自分の中に線を引くことは悪いことではありません。
むしろその線があるからこそ、長く働き続けられるのだと思います。
その線をどこで引くのか。僕自身は試行錯誤を繰り返しています。 今の自分ならどうだろう「ここまでにしておこう」「ここまでやってみよう」 というように、その時の自分に合わせて線を引くようにしています。
✅ 「安心できる人間関係」はセルフケアの一部
気軽に話せる先輩、共感し合える同期、気づかってくれる後輩──
**“安心できる人の存在”**は、職場の中での精神的な支えになります。
- 愚痴をこぼせる
- 困ったときに相談できる
- 何気ない雑談でリラックスできる
そんな相手が一人いるだけで、ストレスの感じ方は大きく変わります。
逆に、「職場に味方が誰もいない」と感じる環境は、早急に改善が必要です。
✅ “安全な職場環境”は個人と組織の両方でつくる
もちろん、職場の環境をすべて自分で整えることはできません。
だからこそ、組織の側も「安心して働ける土台」を整備する必要があります。
- 明確な役割分担と業務範囲
- ハラスメントへの対策や相談窓口
- 「休みやすさ」や「話しやすさ」のある風土
これはすべて、離職防止や定着率の向上に直結します。
現場だけでなく、管理職や経営者にも「環境ケア」の視点が必要です。
✅ セルフケアは「自分を大切にする」ことから
セルフケアは、何か特別なスキルではありません。
自分の心と身体の声に耳を傾け、整えること。
- 無理してないか?
- 我慢しすぎていないか?
- もっと効率的なやり方はないか?
「自分を雑に扱わないこと」が、 介護という**人を大切にする仕事**を続けるための土台になります。
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